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「GU」新ロゴマーク色彩考

ユニクロの姉妹店「GU」のロゴがこの3月に一新された。
我が家の近くにも店舗があり、変わったことを知らずに通りかかったのだが、そのロゴを見ての家族との第一声は
「わ、変!」
だった。もちろんデザインと色は同時に目に入ってくるものなので、その両面から違和感を感じた上での感想だ。

GUのロゴ.jpg

家に帰り、早々にロゴの評判をネットで調べてみると、あの佐藤可士和氏がデザインしたということで、やはり大きな話題となっている。少々「否」の方が少々優っている賛否両論。
もちろんその形、「直線」を感じさせるやや「男性好み」の形の印象は、以前の緑で「丸」を感じさせる「女性が好む」形との余りの違いも大きいのだろう。しかし私としては、もう一つ、色彩についての少々の「違和感」も感じてしまう。

まず店舗の看板のロゴとしてのあの紫がかった紺地に黄色文字の組み合わせは、明度の大きな違いがあって、遠くからも視認性が良い。街道沿いにあることの多い店舗の看板としてまずその「見てもらう」という仕事はしているように思える。

しかし、色にはそこから受ける色のイメージがある。
日本人にとって、紺色は非常に知的なイメージを受けやすい色である。この紺色がやや紫がかっている。この原
色とは微妙に違う紫がはっきりと感じられることで、実は人はとても複雑なメッセージを受け取る作用がある。

紫の持つイメージは、「優雅」で「高尚」、「不吉」で「性的」。もともとの青の知的なイメージにこの複雑なイメージがかぶさり、ここに「軽さ」「気安さ」の象徴である黄色が配置されると、人はそのロゴからどんなメッセージを読み取ればよいのかが分からず、非常に印象がつかみにくくなる。

例えばメッセージをはっきり伝えることを大きな目的としている国旗に、紫を配したものがあまりないのもこの原因による(色の再現性が低いということもある)。

この色の組み合わせは、イケア(IKEA)や映像レンタルのTSUTAYAでもお馴染みだが、目立つものの、メッセージとしてはキーワードがうまく残らず、なんとなく欧米を感じさせるような(印象的な)ロゴだなという感想になってしまう確率が高いかもしれない。

ikea.jpg

プレスリリースを見ると、
「国内向けのファミリー向けブランドから、世界向けのファッションブランドを目指していく」(ジーユー・広報)という将来性からグローバルなデザインに変更。
「ファッション性」
「楽しさ」
「アイコンとしての強さ」
が込められているという。おしゃれかどうかは各人の判断だが、おしゃれを目指すなら、もっと良い組み合わせがあるはずだ。黄色は確かに楽しさの代表的な色だが、楽しさも、紺色の面積、印象に圧倒され、全体の色彩から楽しさは伝わってこない。
先程も言ったとおり、強さという面で視認性は抜群で、この点はいいだろう。

世界向けとのことだが、確かにこの色の組み合わせは欧米人にとって非常に好ましいものだ。しかし好ましさの内容、受けているメッセージは果たしてGUにとって良いものなのかは少々考えものかもしれない。
世界各国を対象にした色彩のイメージ調査によると、青は米国人にとって少しセクシーさを感じさせる色。中国や韓国は冷たさが、そして本拠地の日本人にとっては冷静さ、知性の部分がが際立つ色だ。

そもそもロゴや看板は、お店の入り口としてお店がもっとも伝えたいメッセージを形と色で伝えるのが仕事だ。
GUがお客さんに対して伝えたいイメージは「おしゃれ(ファッション性)」で「お手軽で」「明るい」(楽しさ)とのことだが、そんなお店の目標とはちょっと異なるモノのような気がしてならない。
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