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『銀座VS巣鴨 店頭に展示された服 100着調査』

銀座ブランド通り VS 巣鴨地蔵通り商店街 ~銀座の高級、巣鴨の癒し

 女性用の洋服を販売するお店の店先やウインドウに展示された製品の色は、場所によってどのような違いがあるのでしょうか。
 当然、こうした店頭に飾られる洋服の色は、その街で買い物をする女性の目を引き、好ましいと思われることを目的としています。
 ただ街によって対象となる人が違い、また売り方に対する考え方がそもそも異なる、製品にはそんな要素があります。実はこれが一番見事に表現されているのモノの一つが、この店頭でお店の製品を「代表して」飾られている洋服、そしてその色なのです。

 今回は、いささか極端な位置にある両地点。銀座と巣鴨の2つの街で調査を行いました。
 銀座は、有楽町方面から入り、中央通りに抜ける「銀座柳通り」「銀座マロニエ通り」「松屋通り」の3筋。「カルチェ」「ブルガリ」「バーバリー」など特にブランドに詳しくない方でも知っている海外高級ブランドを中心に、旗艦店が建ち並んでいます。
 歩いている人は、7割がたが女性。学生風の方はあまりおらず、20才代から80才代と思しき人まで全世代の方が観られるますが、やはり50歳以上の女性の方の姿が目立ちます。
 
 一方、銀座巣鴨商店街。言わずと知れたおばあちゃんの原宿。巣鴨から歩いて約5分。白山通りから入る1km弱続く商店街は、お年寄りを対象にした洋服から食べ物、小物やマッサージ、保険屋さんに至るまでのお店がびっしりと並んでいます。その中でも最多のジャンルはもちろん洋服。通りを歩くは70才代、80才代を中心にした女性が圧倒的で、10人に一人ほどの割合で、20才代~70才代までの男性が混じっているような印象です。

 さて両者の店頭に並んでいた洋服の色は、下記のグラフの通りでした。

銀座、巣鴨調査(小).jpg

 左が銀座。右が巣鴨の結果です。
 結果に分かりやすい違いを出すべく、極端な場所選びを意図的に行った結果であるものの、うれしくなるくらい異なる両者の結果となりました。
 まず銀座。

 1位 黒
 2位 白
 3位 ベージュ
 4位 グレー
 5位 青

 という結果でした。約5分の1が黒い洋服を展示していました。
 黒の特長は、この色を身に着けるうえで、次のようなことがあります。

 〇どんな色との着合わせにも対応できる万能の色
 〇顔を引き立たせてくれる効果がある
 〇高級感、重厚さが最も伝わる
 〇全身が締まって見える

 というもの。女性らしさの演出や、男の保護欲を刺激したり、軽やかさを表現したりという効果はなく、他人との距離を作る色でもあるのですが、50歳から上の、お金をお持ちの女性が対象と考えてみると、黒は特にこの層の方たちにとっては色彩心理的には至れり尽くせりの色であることが分かります。
 さらに黒は身につけた人に、高級感と重厚なイメージを与えるとともに、黒い製品自体、高価格であることを相手に伝え、納得させる色でもあります。お店、特に高級店にとっても実にありがたい色なのです。
 ちょっとお高いお弁当、あるいはお正月のおせち料理、あるいは高級な和食がすべて黒で縁取りされているのも、一つにはこの効果を狙った結果(無意識の場合も多いのですが)であると言えます。

 一方、巣鴨の洋服店の店頭に展示された洋服の色。
 
 1位 紫
 2位 グレー
 3位 赤
 4位 ベージュ・ピンク(同位)

 という結果で、銀座で圧倒的な人気のあった黒は、ほとんど店頭には登場しません。
 まず、この街で黒は「高級感」というより、その重厚さ=若さがない、弾まない、という印象が好まれていないということになるのでしょう。
 1位になった紫は、「やはり」というものでした。
 女性は基本的に、全世代はピンク系統の色を好みます。
 ピンクは女性ホルモンを刺激し、女性に若さと癒しを与えてくれる色。そのうえ「愛情」というイメージキーワードを持っています。
 ただ、各世代で最も好まれるピンクは異なり、若い世代が明るいトーンのピンクであるのに対して、年齢が上がるほどに、赤みが増して、紫に近づいてきます。これには物理的な理由もあるのですが、これは長くなりますので、ほかの機会に。
 また紫は、健康上の不安がある方が非常に気になる色。身体の癒しを求める場合に気になって仕方がなくなる、そんな色でもあります。
 美空ひばりさんが体調を悪くされていた晩年、部屋中を紫にしていたのは有名なお話です。
 つまり、60歳から上、「女性ホルモンを活性化させ=若さ」「健康面を癒す」紫が店頭に飾られているのは、ごく自然に成り行きなのです。
 4位にピンクが入っているのも同様の理由ですが、ピンクの場合、癒しの効果よりも「愛情」のイメージが強くなります。
 皆さんも巣鴨以外、女性の割と高年齢の方を対象にした洋服店がありましたらちょっと店頭をチェックしてみてください。まず間違いなく、紫の洋服が展示されているはずです。


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