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消えたゴレンジャー

1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』以来35年以上、男の子に熱い支持を受け続けるスーパー戦隊シリーズ。
私が数十年前に親しんでいた頃は、男性4人に紅一点の女性が加わった5人組で悪と戦うストーリーであった。最近ふとした拍子でこのシリーズの最新作を見たのだが、悪と闘う基本形は変わらないのだが、色彩の面で面白い変化に気付かされた。

壮年の皆さんなら、元祖『ゴレンジャー』の5人組の色構成を空で言えるかもしれない。

〇赤 →熱血漢のリーダー。考えるより先に行動する面あり。
〇青 →いつも冷静さを失わないサブリーダー。知的なアドバイスが冴える!
〇黄 →明るく純朴な力持ち。
〇ピンク →ヒロイン。落ち着いた母性的な面もあり。
〇緑 → 無邪気な癒し系。

ゴレンジャー.jpg


色彩マーケティングの世界では、その人が好に身に付ける色彩とその性格や行動の傾向に共通性があるといわれている。原作者の石森正太郎の凄さか、この5人の性格付けと色は、色彩学から見てもまさに正解で、ドラマの中での役割分担までもが見事に色で表現されていた。

その後、時代の変化にともなって色の構成は少しずつ変化しているというが、最新作の『獣電戦隊キョウリュウジャー』では、人数一人増の6人(6色)となって、その性格付けも次のようになっている。

〇赤:無鉄砲で天然。自然体で好奇心旺盛。
〇青:真面目で地味。
〇ゴールド:天真爛漫。子ども好きだが女性が苦手な繊細?な面を持つ
〇ピンク:陽気で明るい性格のお嬢様
〇緑:クールで生真面目な性格で人見知りが激しい
〇黒:女好きのお調子者でお喋りかつ明るい性格。自分勝手で捻くれた態度も目立つ。

キョウリュウジャ.jpg


色彩的には、黄色がゴールドに変化し、黒が加わったと言うものだが、それぞれの色の性格付けの変化は大きい。
まず黒の出現。
ヒーロー者で、「権力」や「重厚」、「距離」、「孤立」をキーワードとして感じてしまう黒はなかなか使いづらい色であるはずだが、いつからかは不明だが敢えてここに入れられている。ヒーローに最も必要な要素は「格好良さ」「活力・強さ」「正義」が基本であるが、黒が担当する部分があるとすれば、それはこうしたヒーローの部分ではなく、むしろ共感の部分かもしれない。なるほど「おしゃべりで明るく」=周りに合わせて気を使い、「自分勝手で捻くれた」=本当は違う、とやや斜めから考えてみると、たしかにこんな大人的な子供が増えているようにも感じる。

次に気付いたのは、色と性格の不一致。緑=クール、ゴールド=天真爛漫。私たちが日常の中で感じる色のイメージとドラマの中の性格設定が異なるのには、私がまだ気付かない関係の変化が子どもたちの中で進行しているということなのか。ドラマの決め台詞のようだが「実におもしろい!」。

そして最後に、「癒し」と「母性」キャラの不在。バカッぽい設定のキャラは存在するが、昔の緑やピンクが受け持っていた二つの役割が希薄になっている。もうこの二つの役割は、子どもたちの周りには存在せず、共感も得られないと言うことなのか。うーん「実におもしろい!」。

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